高寿園訪問(被災地見学)

 夏休み明けの8月27日(水)に、4年生以上が被災地見学に陸前高田市に出かけました。陸前高田市では、はじめに昼食会場として体育館をお借りする矢作小学校にお邪魔しました。矢作小学校では、いまだ校庭に仮設住宅が建てられていて、校舎と住宅の間に陸上練習用の直線コースが2本とられていました。事後の子どもの感想には、3年前からその様子が変わらないことに心を痛める内容のものがありました。
 市内に入ると、復興が進む市街地の様子を現地ガイドの方に案内してもらいました。子どもたちは、昨年まであったがれきの山は片づけられていたことや巨大なベルトコンベアーが張り巡らされていたことに驚いていました。このベルトコンベアーは、土地のかさ上げをするための土を運ぶためのものです。総延長が3kmで、1日にトラック3000台もの土を運ぶことを教えていただきました。また、市内には水田も復活してきていることを知り、少しずつではあるが確実に復興が進んでいる様子に、子どもたちも喜んでいました。しかし、まだまだかなりの年月がかかることや募金やボランティア活動がまだまだ必要なことなど、自分たちにできる支援について改めて考えていかなければならないと気持ちを新たにしていました。


 市街地見学を終えて、市内の特別養護老人ホーム「高寿園」に向かいました。高寿園を訪問するのも3回目になります。今年は入所者とデイサービスの利用者と3つの班に分かれて交流会を行いました。自己紹介をしたり童謡を歌ったりと和やかな雰囲気の中で行なわれました。あるグループは、小友のことを聞かれて「小黒号の話」や「鷹鳥屋の地名の由来」について教えてあげていました。さらに「鷹鳥屋神楽」を披露するなど、予定にはなかったことですが、高寿園の方々のリクエストに一生懸命に応えて、喜んでもらおうとしている子どもたちもいました。また、ほとんどの方が90歳以上のグループでは、「久しぶりに子どもを見たなあ。うれしいなあ。元気がでるよ。」という言葉をかけてもらったとのことでした。
 後半は、「yosakoiソーラン」や子供語り部を披露し、皆さんから大きな拍手をいただきました。また、みんなで心をこめて作った励ましのメッセージを贈り、今年の訪問を締めくくりました。
 「来年もまた来てね。」と涙を流しながら握手をしてくださる利用者の皆さんの姿に、自分たちがした活動の価値の大きさや深さを改めて感じ取っていた子どもたちでした。
 
 9月5日(金)には、児童集会で、この被災地訪問について報告会を行い、来年度にますます充実したものになるよう引き継いでいきます。